母なる悩み

納得いかないまま納得できない選択をして納得いかない生活を送ってきていたようだ。「いつか」と「仕方ない」を繰り返して、現実を捉えず夢を見ながら、小さな一歩と称してくだらない経験ばかり溜めこんできた。そうだ。寝ても覚めても心にあったこの思いは「腑に落ちないけどいつかは・・・」だったようだ。うまくいかない今を直視しないようにして、改善できうる明日だけを見て、ただ次の日の自分に荷を任せてただけ。なくてもいい一歩ばかり踏み出してほんとに欲しいものへは近づいていなかった。自分の中にある知識や経験や葛藤や迷いをまとめあげて納得いく形にこしらえていくことをやめていた。確固たる自分を打ち出す自信も力もなかったのだ。いや今もない。この納得のいかない世界と自分が嫌なのだ。全部わかって全部まとめて全部はっきりさせたい。そういう思いが底の底に潜んでいて、いつもいつも納得できない不満足で不自由な自己のままに生きていたのだ。今も納得できぬまま文章を書いている。本当に伝えたいことが何なのか、本当に書き残したいことが何なのか、そしてそれはこの形で伝わるのか、本当に伝わったとどうすればわかるのか。どうすれば僕は納得できるのか。要は自己満足の問題なのだ。僕の悩みはおそらくそこから拡散してそこへ収束する。