落ち込んでいるとき(つまり平常時)の日記
あの子に会えなかった。それだけで一日の価値は落ちる。受験前だけど、あの子を中心に日々は巡る。
互いに好意を持ち合っている気はする。自意識過剰でなくそう思う。だが行動はできない。
空しさと焦燥感だけが月曜火曜と通過して、金曜から土日を一気に貫きまた憂鬱を咲かす。
融けない氷と冷めない湯豆腐を飲み込んでしまったみたいだ。心地悪さが終始体を苛む。
葛藤は腹で行われる。顔は苦痛では歪まない。かといって笑顔にもなれずにいる。
僕には内情を知りようもないクラスメイトの、一見楽しげで幸せそうな笑顔と身振りで救われる。
彼らが夜中ひとりぼっちで化け物と葛藤していたとしても、僕には彼らの痛みは分からない。
ただ自意識の奴隷が僕のみでないと言い聞かせてやり過ごすだけだ。