冷蔵庫のように冷え切った教室でぬくもりを求める俺、乙。

どう考えても寒すぎる今年の冬、こんにちは。いくらなんでも冷却しすぎじゃないですか、地球さん。教室内のヒーターにクラスメイツが群がるさまを見ていて、僕はそう思うのです。休み時間にヒーターに寄り、授業中にも隙を見ては寄り、寒さに打ちひしがれる今日この頃。そんなときに席替えをしようだなんて、俺の現住居である窓際ヒーター隣席への執着心がメラメラと燃え上がるだけなのです。結果的には、冷えた空気の充満する廊下側の座席へとお引越しになったのですが。寒いのは授業時間のみには留まりません。部活中もです。だから道場に屋根をつけろと何度言ったら分かっていただけるのかと憤ってみても、上の人間にそのような悲痛な叫びは届かないのです。凍傷気味な体の末端をかばいつつ弓を引くも、身震いしながらする部活などに効率や合理は存在しないだろうとか考えてしまう。澄んだ空気と暗黒に包まれた空を全身で感じながら弓を引くことで自然と一体化し、究極の正射を会得するんだ、とか言い聞かせてみるも、どうにも納得がいかない。やっぱ、足りないよなあ、と思った。憧れの彼女とは口も訊けないし、まともに弓も引けないしで、「人生とはかくも複雑で、一過性の幸福にまみれているなあ」と、いつもどおりの思考停止ラインで緩やかに脳内電流にブレーキをかけるのであった。