以下Mr.children「フェイク」ネタばれ。


「フェイク」購入から聴き終えるまでにさまざまなフェイクもとい仕掛けを見つけてうれしくなる。ジャケットに一つ、歌詞カードに一つ、曲中にいくつものフェイクを知る。感じる。一番優れているように思ったフェイクは曲の中盤において唐突に現れた無音時間である。歌詞カードの一ページ目に書かれた歌詞がちょうど全て歌いきられるタイミングでもある。次の歌詞は何かな、と思って歌詞カードを開くとそこは黒一色。曲の再生時間が9分強と長めであったのでいぶかしく思っていたのだが、まさか無音だとは思いもせず。▽そして、この無音にさらなる意味を見出した。この無音時間に突入する前の歌詞に、「飛び込んでくる音 目に入る映像 暫く遮断して心を澄まして 何が見えますか? 誰の声が聞こえますか? いつまでも抱きしめていれるかな?」という部分がある。もしかしたらこの無音時間に、無音であるはずはないと思って神経を研ぎ澄まして音を聴こうとする人々に周りのものを観察させようという意図が込められていたのではないか。聴こえてくる音が曲の一部であるのか、身の回りから聞こえてくる雑音であるのかといった「フェイクであるかどうかを見抜く」ことをするように誘導しているのではないか。ただ後半に続くインストゥルメンタルverにつなげるために間隔をあけたのかもしれないし深読みすぎなのだろうが、もしそのような意図があったのだとしたら鳥肌ものだ。尊敬したりする。