レンソーゲーム

女の子が好きです。あの女の子が好きです。あの女の子が大好きです。あの女の子が好きなものも好きです。あの女の子が恋してる人は嫌いです。断言したけど違うかもしれません。意外と好きかも知れません。むしろよく知りません。あの女の子が好きです。どこが好きかと聞かれると答えづらくもあります。好きなところは笑顔です。笑顔がかわいいところが好きです。笑っている顔が好きです。笑っている彼女が好きです。泣いている彼女もまた好きです。いや。泣いていた彼女も好きです。いやいや。泣いていても好きです。いやいやいや。そこじゃない。泣いている彼女にもまた魅力を感じます。笑っている彼女とは違った魅力を感じます。とにかく好きです。好きとは何か。僕の中にその感情が生まれることである。彼女を愛しいと思う感情が好きそのものである。しっくりこないので違うのだろう。彼女を思うと胸が苦しくなることが好きということである。どこかがおかしい。おおむね合っているはずだがおかしい。好き、は表現しづらい。辛い。切ない。会いたくもあり少し会いたくない。床屋に行ったからだ。そして髪を切ったからだ。眉毛も切ってもらった。なんか違和感が生じた。フットボールアワーの岩尾を思い出した。これは、まずったか。ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。気にするな。明日もまたスズメはちゅんと鳴く。どこかで誰かがズームインする。電車は走る。信号は青のあと黄を出し赤となる。街は眠らない。イスは軋む。目は回る。よく食べよく喋りよく眠る。僕はあまり喋らない。でも世界はきちんと現象現象していくので、僕は特にやることがない。また彼女を考える。次の春。僕は何をしているだろう。彼女は何をしているだろう。そのとき、同じ方向を見ていたなら、それはとても素敵だろうな。と、「素敵」でまとめる俺、童貞。目が回る。